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番外編 革(天然皮革)と合皮(合成皮革)は何が違う?

近年PUレザーですとか、フェイクレザーという素材をよく目にします。

どちらもレザーとついていますが、いずれもいわゆる本革でないことはご存知でしたか?

実はどちらも合皮分類されるものなのです。

 

では、革と合皮は何が違うのでしょうか。

こちらの記事ではその違いを解説させて頂きます!

 

まず、革と呼ばれるものは天然素材、つまり動物から取れたもののことを指します。

それに対して合皮は人工的な素材を組み合わせて作られた素材です。

革と合皮はそれぞれ天然皮革・合成皮革と呼ばれることがあるのを知ると

よりイメージしやすいのではないでしょうか?

 

革は生き物からとれたものを使うので供給量に限りがあります。

しかし、その上質さから需要はとても多い素材です。

そのためお値段は高くなる傾向に…。

それに対して合皮は人工物の組み合わせなので大量生産が可能です。

革で言うところの風合いや経年変化は楽しむことはできませんが、

革に似せた見た目を均一に、大量に作ることができるのため、比較的安価な製品が多いです。

 

ケアに関して言えば、合皮は基本的に乾拭きのみでOK。

どうしても汚れが気になるときは固絞りした布でふきあげ、乾拭きを行い、

日の当たらない風通しの良い場所での陰干しを行ってください。

もしくは合皮専用ローションなどでのケアをオススメいたします。

では革はと言うと、日常のお手入れはブラシがけのみでOKですが、

定期的に栄養分や油分を補っていただく必要があります。

このケアさえ欠かさず行っていただければとっても美しい経年変化が見られるのと、

長持ちしてくれるところが革の魅力ですね。

 

革は長持ちすると言いましたが、合皮はというと、

今のところ、比較的安価に手に入るものは必ず経年劣化してしまいます。

車や椅子に使われているものには超高級合皮なんかも出てきていますので

もしかしたら将来的には合皮の寿命が長くなることもあるかもしれません。

革はケアすれば長持ちしますが逆に言えばしないと劣化してしまうと言うことはご留意ください。

 

また、革を持つに当たって一番心配なのは雨や汚れ。

それもまた経年変化のうち、と楽しめる方もいれば、シミがついたらもう使いたくない!

という方もいらっしゃると思います。

ケアが行き届いていれば基本的に水でのシミは起こりづらいのですが、

革の種類や加工次第でどうしても防ぐことができない場合もあります。

そのようなトラブルに関しては合皮の方が若干有利かもしれません。

革のシミや汚れは絶対に防ぎたい!という場合、特にスエード革のものには

防水スプレーをオススメします。(使うべきでない素材もあるのでご注意を!)

これに対して合皮の場合はかけてもいいのですが、

ちょっと変わった加工がしてある場合ですと、防水スプレーをかけると

素材が変質してしまうものもあるのであまりオススメいたしません。

水、汚れには比較的強い素材なので特に必要はないように思います。

 

万が一シミやと汚れがついてしまって、それを隠したい場合は、

革製品だとある程度、色補修で隠すことができます。

合皮は革と違い、素材の変質に対応できないため補修が難しいことがほとんどです。

均一で見た目の変化が少ないという利点が仇となるパターンですね。

 

以上が革と合皮の大まかな違いの解説です。

 

高級素材で、ケアしながら経年変化を楽しみ、長く愛用していただくのが革。

安価で経年劣化は前提ですが見た目の変質は起こりにくく、手間がかからないのが合皮。

どちらにもいいところ、悪いところはあるので、

自分がどのようにその素材の靴や鞄と向き合っていくかを考えて

お品物を選んでいただくと良いのではないでしょうか?

 

年々需要と供給のバランスが変わってきてしまっていて、

革はこれからさらに高級素材になっていく可能性があります。

もしお手元に革製品があれば是非大切に持ち続けてくださいね!