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素材編 ④コードバン(コードヴァン)

靴好き・革好きの人なら必ず一度は耳にするコードバン!

言わずと知れた超高級革ですが、高級がゆえに名前はよく聞くけど

よくは知らない、実物は触ったことがないという方も多いのではないでしょうか。

 

まず、コードバンは馬革です。しかもお尻の部位でしか取れない希少部位です。

馬の生産量は牛を代表とする他の畜産動物と比べると決して多くはありません。

そのため超希少部位という扱いなのです。

超希少というからにはお値段もやっぱり…。

 

つるっとした見た目の革ですが本来起毛素材に分類されるもので

ツヤめく見た目はオイルでよくなじませ、よく磨き上げられて初めて発揮されます。

革の特徴としては、爪で引っ掻いたようなキズや鋭利なものでついた傷が目立ちやすく

水滴による水ぶくれもつきやすい革です。

なめらかな革である分そのようなトラブルが目立ちやすい革なので注意が必要です。

また、熱にも弱いので濡れてしまっても温風ドライヤーを使ってはいけません。

 

注意事項を羅列するとえ!?いいとこないじゃん!と言いたくなるような感じですが

しかしながらこれらの欠点を補って余りある魅力的な特徴があるのです…!

 

それは革が非常にきめ細かく、なめらかで丈夫であるということです。

水ぶくれが〜などと先に書きましたがそれは見た目だけの話。

革の強度は牛革の3倍以上と言われております。

鋭利なものでできた傷は確かに目立ちますが、これも見た目だけの話で、

元々が起毛革であるためスレ傷には強く、しなやかさを発揮してくれます。

そのしなやかな革を磨き続けると他の革の追随を許さない美しいツヤが生まれます。

磨き込んでツヤが出るその様から「革のダイヤモンド」なんて呼ばれたりもしますね。

このツヤの出かたが革製品マニア、とりわけ靴マニアの方々の

心を掴んで離さないところではなのではないでしょうか。

革そのものが軟弱というわけではないので、色々試し、最善を模索しながら

磨き入れを最大限に楽しめる革であるというのがコードバン最大の魅力だと思います。

 

また、油分やろう分の多いクリームの吸いが非常によいため

靴の屈曲部も含めてポリッシュ仕上げで磨いても割れたりせず、美しく光り輝いてくれます。

(ついでに言うとそのレベルで磨くと水を完全に弾くようになります)

 

ピカピカに磨くもよし、程よい光らせ方で本来の光りを楽しむのもよし。

 

牛革での靴磨きも奥が深くてとっても楽しいものですが、

コードバンにはそれよりもさらに革を育てる楽しみがあります。

若干玄人向きの素材ではありますが革製品好きの方には

ぜひケアを楽しんでいただきたい革の一つです。

 

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