いままで、④コードバンの記事を除き、①〜⑦の記事では
革の加工法による名称の違いをご説明させていただきました。
今回の エキゾチックレザー は動物の種類により名称の違うものについてです。
クロコやパイソン、オーストリッチの名はご存知の方も多いのではないでしょうか?
まず、 エキゾチックレザー というのはなんなのか、というところなのですが
①スムース革、⑦起毛革のように、分類されるものをそう総称して呼ぶもののことです。
そして、この エキゾチックレザー には 何が分類されるのかというと、
牛や豚、羊などを代表とする畜産動物からなる革ではないもの が入ります。
端的に言えば手に入りづらい珍しい革、ということです。
では、エキゾチックレザー に含まれる革の有名どころをピックアップしてご説明して行きます!
まずクロコ革。言わずと知れたワニの革のことです。クロコダイルの略称ですね。
爬虫類革の代表格で、四角形と丸い独特の艶やかな鱗が特徴的な革です。
クロコ革の仲間で同じくワニ革のアリゲーター、カイマンという革もあります。
次にパイソン革。こちらは蛇の革です。
蛇の種類によって鱗の並びや柄が違い、連続的に並ぶ鱗がとても美しい革です。
非常に薄く、軽い素材が多いのも特徴です。
鱗の多さと革の柔らかさから繊細な面もあります。
そしてリザード革。トカゲの革です。
小さな丸、もしくは長方形型の鱗がおおよそ規則的に整然と並ぶ上品な革です。
この革は薄く、軽く、さらに丈夫な革でもあります
以上、3種類の革はまとめて爬虫類革と呼ぶことも多いです。
お次はオーストリッチ革。この革はダチョウの革です。
羽毛を抜いた後の出っ張った丸いあとをクイルマークと言い、
等間隔に並ぶクイルマークが非常に人気の革です。
革質は柔らかく、しなやかで丈夫なのが特徴です。
ここですでにお気付きの方も多いと思うのですが、エキゾチックレザー の
〇〇革の〇〇部分はだいたいその動物を英語で読んだときの名前です。
シャークスキンはサメ革、シールスキンはアザラシ、もしくはオットセイの革です。
サメ革は独特の縞模様が特徴で、シールスキンは厚さと丈夫さが重宝されています。
この辺りの革までは素材感の特性はあれど比較的温かみのある、革っぽい革です。
どの素材も程度の大小はあれ、何かしらのケアが必要な革となります。
さて、エイ革というものがあるのですが、こちらはうって変わって
ビーズのような硬質の鱗が敷き詰められている革です。
材質は人間の歯に近いものだそうで、触ると少しひんやりします。
この革に関してだけは性質上ケアの必要がないとっても強い革です。
性質が全然違うのに一緒くたに革、と呼べるのがとても面白いところですね。
これらの革が手に入りづらいのには理由があって、
まず、絶滅危惧種に指定されているような希少動物がこれに含まれるということと、
環境保全と密輸、乱獲を防ぐ目的のワシントン条約による制限が設けられているためです。
もしお手持ちの革でエキゾチックレザー のものがあれば是非是非大事にお持ちくださいね!