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素材編 ⑦起毛革

①〜⑥の記事では毛がなく、手触りが比較的つるっとしている革についてでしたが

今回は起毛革についてご説明したいと思います。

 

起毛革はその名の通り毛が起きている革です。

スエード、ベロア、ヌバック、バックスキンなどを総称してこう呼ぶことが多いです。

どれも毛があり、柔らかく、優しい手触りが人気の革です。

 

では、それぞれ何が違うのかというと、

まず、革の不要なものを取り除き、銀面を作ったものをスムース革というのに対し、

同じく取り除いたあと、銀面の裏側、肉面をヤスリ磨き上げ(バフィングと言います)、

毛を起こさせたものをスエード、

スエードより繊維が荒く、毛足が長いものをベロアと言います。

そして、ヌバックはスエードとは逆に銀面層にバフィングを行い、

毛羽立たせたもの、バックスキンは牡鹿の革をヌバック状にしたもののことです。

 

革の元の動物、性別、年齢、加工する革の表裏でそれぞれ呼び名が違う、ということです。

いずれも本来ない毛足を起こして作った革であるため起毛革とまとめられるのです。

 

さて、この起毛革ですが、スムース革とは違い、毛なので靴磨きの必要がありません。

もともと毛なのでツヤが消えてくすむということもありませんし、

乾燥して革が割れる心配もほとんどないので取扱しやすい革と言えます。

 

ただ、靴だと特に、ぶつけてスレたり、強くこすってしまったりということがありますが、

その際にちょっとずつ毛足が削れて短くなってしまうという特性があります。

毛がなくなると、元のように復活というわけにはいきませんので、そこだけが難点です。

 

靴磨きの必要はありませんが、毛足のある分、ホコリや汚れを巻き込みやすいので

たまにブラッシングをすると美しく保てます!

毛足の向きが乱れるとくたびれた印象になることもあるので、ぜひ行ってください。

 

スムース系の革とは違いますが、起毛革もまた違った味わい深さがあります。

革の呼称を知っていただいて、お好みのものが探しやすくなる手助けができたらな、と思います!